あなたに恋をする--- 第一話
【第一話】-入学式-
《煉Side》
俺は『秋山 煉』。
桜田高校3年のごく普通の男子高校生だ。
得意なことは運動。
嫌いなことは愛想を振りまくこと。
―――特にキャァキャァ言う女子。
あいつ等はウザイ。
周りが言うには、
俺は世に言う“イケメン”らしい。
キャァキャァ言われるのは、そのせいだと。
そんなことを考えていたら
桜がひらりと舞い上がった。
「そうか…今日は入学式、か。」
俺は少し期待している。
この入学式で
“あること”をできる可能性を信じているから―――。
あなたに恋をする--- オリジナル恋愛小説
プロローグ
《朱音Side》
ジリリリリリ…
うるさい目覚ましの音が棘のように耳に突き刺さる。
朱音は目をこすりながら仕方なく目覚ましをとめた。
今日は2度寝はしない!
だって今日は[桜田高校]の入学式だから!
朱音は桜田高校に行きたかったんだもん!いっぱいいっぱい勉強して受かったから!
るんるん気分で朱音はお母さんとお父さんがいるリビングに向かった----。
まさか、この高校を選んで、朱音の人生が変わるなんて
まだこのときは誰もわからないんだ---。